ここ最近、当院のブログの『痔』のペットボトル温灸お手当法のアクセスが急に増え増したので、春の季節と痔について、何か関係あるのかもと思い、色々と考察してみました。
春はその陽気に目覚めて気や血が肝に集まり肝の働きを充実させる季節です。そして、肝は、のびのびとした状態が好きな臓です。しかし、春の季節は、三寒四温で暑かったり寒かったりと身体はその変化に対応するのに大忙し。また、年度初めでもあり、生活環境も大きく変わります。とても、のびのびした状態ではいられなくなります。従って、肝に負担がかかりやすい季節でもあります。
そこで、今回は、肝の機能が正常に働かなくことにより、『痔』が発症するのではと仮説を立ててみました。
結果ですが、「肝火上炎」や「肝胆湿熱」による便秘は考えられても、直接、痔に結びつきませんでした。そこで、東洋医学だけでは説明がつきにくいので、西洋医学な面からもアプローチしました。
肝は血を貯えて全身に供給する働きがあります。痔の静脈は門脈系に属し、肝臓に流れる血脈です。肝臓の機能が正常ではなくなり、肝臓に入っていく血液が停滞すると、もちろん肛門付近の静脈血も停滞します。そして、肛門付近に「うっ血」が生じます。このうっ血した血液が肛門付近に行き場を失い、『痔』を作ります。 つまり、痔は肛門部に発生した「お血病の一種」で具体的には痔静脈のうっ血が原因といえ微小循環障害の結果でもあります。
『痔』の治療方法は、血行を改善して体内のうつ血を除くことが重要と考え、肝臓の働きを正常に戻し、肝臓部での血流を促すことが大切と考えます。
この場合、使用するツボは、原穴の「太衝」や合水穴の「曲泉」がいいでしょうね。 しかし、ご家庭のお手当法で使用する場合には、「長強」や「腎兪」「承山」で充分ですよ(o^^o)