~ めまいのための食材 ~
古来中国では、お食事療法によって病を治す医者ことが優れた医者であると考えられてきました。
優れた医者を目指すべく、今回は、『めまい』に効く薬材のご紹介です。
めまいは「眩暈」と書きます。眩とは、目の前が真暗になること、暈とは目がグルグル回ることです。両方の症状が重なることが多いので、眩暈(めまい)といいます。
症状は、軽重があり、軽い症状では目を閉じるとすぐに治まりますが、重いものでは揺れている感覚に襲われ、立っていることもできず、悪心、嘔吐、発汗を伴うこともあります。
めまいを起こす原因は複雑ですが、中医学では、肝、脾、腎の関わりが特に密接であると考えられています。
①肝火上炎証
・平素から陽が強く、肝陽が上に昇りやすい。
ストレスが熱化し冷やす作用の肝陰を消耗させますます熱が強くなる。
・怒るとめまいが強くなる。
顔面紅潮、耳鳴り、頭痛、眠りが浅い、不眠症、イライラして怒り易い。
よく夢を見る、目が赤い。
・肝火を鎮める作用の食材を選ぶ。
・セロリ、トマト、緑茶、天麻、菊花、夏枯草、桑葉
②気血両虚証
・元々脾虚体質で気血が不足していたり、大病後などで気血が失われ、頭部に栄養いきづらい。
・息切れ、話をするのが億劫。顔色、口唇、爪の色が青白い.立つと目眩がひどくなる。
・動悸。疲れやすい。
・気血を補う食材を選ぶ。
・<補気> うるち米、もち米、あわ、大麦、やまいも、なつめ、人参、ジャガ芋、しいたけ、鶏肉、牛肉
・<補血> きくらげ、ほうれん草、人参、桑の実、ライチ、松の実、すっぽん、なまこ、ひらめ
③肝腎陰虚証
・元々体の熱を冷ます作用の腎陰が不足していたり、高熱の後で腎陰が失われて肝陰の不足に繋がり、肝陽の熱を抑えることができないために、熱が昇って目眩が起こる。
・不眠症、夢をよく見る、動悸、手足のほてり、イライラ、寝汗。足腰が弱い。
午後になると頬のあたりが赤くなる。
・肝と腎の陰を補う作用の食材を選ぶ。
・黒ごま、クコシ、熟地黄、女貞子、豚肉、鴨肉、すっぽん、牡蠣
④腎精不足証
・脳髄のもととなる腎精が不足するために、脳が栄養されずに目眩が起こる。
先天的な場合や、老化によるもの、房事過多によって腎精が不足して起こる。
・頭がふらつく。耳鳴り。記憶力の低下。目がかすむ。腰や膝がだるく力がない。
遺精。インポテンツ。不妊。
・腎精を補う食材を選ぶ。
・山薬、クシコ、五味子、冬虫夏草、雀肉、えび
⑤痰濁中阻証
・飲食の不摂生が碑の水分代謝機能を低下させ余計な水分(痰湿)が溜まる。
痰湿は、清腸が昇り、濁陰が降りるのをじゃまするので、頭部に栄養が行かず、代謝物がたまり目眩が起こる。
・四肢や体が重い。いつも眠い。鳩尾あたりがすっきりしない。悪心や吐き気がある。食欲がない。頭重感。
・痰湿を除く作用のある食材を選ぶと共に、碑の機能を補う食材を選ぶ。
・はと麦、あずき、だいこん、とうがんの種、のり、こんぶ、はすの葉、陳皮、くらげ
めまい持ちの方、これらの食材を上手に利用して、楽しい一日を過ごしてくださいね(^^)